セクハラ発言が多いと苦情受けながら、本人には認識がない管理職への対応
相談内容
女性従業員複数から、セクハラ発言が多いと苦情がある男性管理職について、本人はセクハラ発言をしている自覚が全くなく、かつセクハラ行為の具体的告発まで至っていないケースについて、職場環境改善と将来の紛争予防のために対処方法の相談をいただきました。
アドバイスおよび対応
女性従業員らと当該男性管理職双方と個別に面談を実施し、双方の言い分を慎重に聞き取りました。
その結果、当該男性管理職の発言そのものは、「セクハラ発言」に近いが当該発言の現場ではそれまでの会話の流れから「冗談」と受け取られていたことが判明しました。しかし、その後別件で、当該管理職が相手方女性従業員を厳しく叱ったことを契機として、女性従業員にとっては、過去の発言を思い出して「上司からセクハラ発言を受けた」と認識が変わっている可能性が高いことも判明しました。
そこで人事担当者と協議して、当該管理職には管理職としての立場の自覚を強く促すとともに、その場では「冗談」と捉えられる発言であっても、後でセクハラ発言と認識が覆るリスクを説明し、社内では「セクハラ発言」に近い「冗談」を一切差し控えるよう注意し納得していただきました。
その後、社内で管理職向けのセクハラ研修を実施して、職場環境の改善にも努めました。
コメント
現場ではセクハラとまで認定できない苦情が多く存在します。しかし、「セクハラとまで認められない」と放置すると、将来の大きな紛争を招く危険もあり、かつ女性従業員のモチベーションも下がります。そこで、早めに問題の根本まで掘り下げた対応を取ることをお勧めします。
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