弁護士の上田です。 弁護士になった理由を説明します

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弁護士の上田です。ここで簡単に自己紹介を致します。

私は、東京大学法学部を卒業後メガバンクで10年勤務したのち、外資系経営コンサルのマッキンゼーや外資系保険会社の執行役員本部長と副社長を経て、40歳代になってから一念発起してロースクールに入りなおして司法試験に合格し弁護士となりました。大学学部は法学部でしたが、当時はまじめに勉強していなかったので法的素養の蓄積はなく、年とってから一から司法試験にチャレンジするのはなかなかキツかったです。司法研修所(司法試験合格後、弁護士や裁判官・検事になるまで全員1年間研修します)でも私のような経歴の方は見当たらず、相当珍しがられました。

 

ここまでお話しすると、必ず、「なぜ、今更弁護士になろうと思ったのですか?」と聞かれます。そこで、これから、私が弁護士になろうと思った理由を説明します。

 

弁護士を志した大きな理由は、メガバンク勤務中のニューヨーク大学ロースクール派遣留学時代の経験にあります。留学前、私は、米国の司法制度について相当懐疑的な見方をしていました。訴訟社会で濫訴になっているし、弁護士が多すぎて、司法関係者を支える社会経済的コストが大きすぎることで国益を損なっているのではないか、と。 ところが、米国で、友人やロースクール関係者と話をするうちに、米国では弁護士や司法制度が国民から真に頼りにされていて、実際にも役に立っている事実に非常に感銘したのです。確かに濫訴の側面はありますが、それだけ司法的救済が身近な存在で効果的だからこそ、国民が困ったときに躊躇なしに司法を頼ることができるのだと思います。米国の濫訴の部分は反面教師としながらも、司法的救済が身近である部分は日本も学ぶべきと強く思いました。そのときから、いつかは弁護士として、人の役にたってみたいという思いを抱いていました。これが弁護士になろうと思った大きな理由です。

 

その後、日本でも司法改革が唱えられ「市民に身近で利用しやすい司法」を実現しようという機運が高まっているという報道に触れて、日本も米国の良い点に近づけるのではないかと大いに期待したのです。もっとも、司法改革の始まりの時期は、当時の仕事が非常に面白かったせいもあって、実際の勉強の開始はのびのびとなり、私がロースクールに入学した時点では、既に司法改革の負の側面ばかりが目立っていて、司法改革の機運も盛り下がっていました。

 

しかし、それでも私は「市民に身近で利用しやすい司法を実現する」という司法改革の理念自体は正しいと考えていますし、現在起きている種々の問題の要因は、必要な改革の実践が不十分で、司法改革が目指している理念が実現できていないことが大きいと思っています。だからこそ、私は、自分自身で弁護士として「市民に身近で利用しやすい司法を実現する」ことに貢献したいと考えています。是非宜しくお願いします。

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